2026/09/11
株式会社インディペンデントケア、そして就労継続支援B型事業所サイバーコアは、ついに3期目を迎えることができました。
令和6年9月に事業を開始してから、振り返れば本当にあっという間だったようにも感じますし、一方では「まだこれだけしか経っていないのか」と思うほど、たくさんの出来事がありました。
開所した当初から現在まで、すべてが最初の計画どおりに進んできたわけではありません。
むしろ、実際に利用者の皆様を受け入れ、職員と一緒に日々の支援を行い、地域の皆様や関係機関の方々と関わっていく中で、
「これは変えた方がいい」
「もっとこうした方が利用しやすい」
「今の方法では足りない」
「そもそも、なぜこのやり方なのだろう」
そんなことを二人で、そして職員と一緒に考え続けながら、一つずつ形を変えてきた2年間だったと思います。
私たち二人は、考え方も、得意なことも、物事への向き合い方も同じではありません。
代表の髙﨑は、まず目的を定め、「どうすれば実現できるか」を考えながら前へ進もうとするタイプです。
一方、三笠は、現場や周囲の状況を見ながら、「それで本当に大丈夫なのか」「なぜそうするのか」と一度立ち止まって考えることを大切にしています。
意見が同じときばかりではありません。
だからこそ、一方の考えだけで決めるのではなく、それぞれ違う視点を持ち寄り、時には時間をかけて話し合いながら、現在の会社とサイバーコアを作ってきました。
サイバーコアを開所するとき、一番大切にしていたことは、利用される方にできるだけ多くの選択肢を持っていただくことでした。
障害があるから。
病気があるから。
年齢がこうだから。
今まで仕事が続かなかったから。
そうした理由だけで、最初から本人の可能性を狭めてしまうような場所にはしたくありませんでした。
もちろん、できることもあれば、難しいこともあります。
体調によってできることが変わる日もあります。
昨日できたことが今日は難しいこともあれば、今まで難しいと思っていたことが、ある日できるようになることもあります。
だからこそ、私たちが先に「できる」「できない」を決めるのではなく、
まず一緒にやってみる。
その中で本人に合った方法を探していく。
この考え方は、開所以来ほとんど変わっていません。
そして、ただ「やってみましょう」と背中を押すだけでは支援にならないとも考えています。
利用者の皆様一人ひとりの体調、生活状況、得意なこと、苦手なこと、本人の希望を見ながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えること。
前へ進むことが必要なときもあれば、一度立ち止まることが必要なときもあります。
髙﨑が「できる方法を探そう」と前へ進もうとすれば、三笠が現場を見て「今はここを確認した方がいい」と立ち止まらせることもあります。
どちらか一方だけではなく、その両方があることが、今のサイバーコアの支援につながっているのかもしれません。
開所当初は、複数のサービスを運営する多機能型の事業所としてスタートしました。
しかし、実際の利用状況や地域から求められている役割、職員体制、そして何より「サイバーコアとして何を一番大切にしたいのか」を考え続けた結果、現在は就労継続支援B型事業所として運営しています。
これは単純に事業を縮小したということではありません。
むしろ、私たちがより力を入れるべき場所を明確にした結果だと考えています。
就労継続支援B型といっても、利用される方の目的は一人ひとり異なります。
毎日安定して通うことを目標にされる方。
まず生活リズムを整えたい方。
働くことへの自信を取り戻したい方。
工賃を増やしたい方。
パソコンの技術を身につけたい方。
様々な作業を経験したい方。
将来的には一般就労を目指したい方。
同じ「就労継続支援B型」というサービスを利用していても、その人にとってのゴールが同じとは限りません。
「B型だからここまで」と決めるのではなく、その方にとって必要な次の一歩を一緒に考えられる事業所でありたいと思っています。
開所当初と比べると、利用者の皆様に取り組んでいただく作業も大きく広がりました。
養生板に関する研磨・洗浄・検品・袋詰めなどの作業をはじめ、清掃、ポスティング、クリーニング、パソコンを使用した作業など、それぞれの得意・不得意や体調に合わせながら、様々な作業に挑戦できる環境を整えてきました。
一つの作業だけが得意でなくても構いません。
逆に、一つのことを徹底して得意になることも素晴らしいことです。
人によって向いているものは違います。
大切なのは、
「この人は何ができないか」
を探すことではなく、
「どうすれば、この人のできることを増やせるか」
を考えることだと思っています。
そのためには、事業所側にも選択肢が必要です。
利用者の皆様へ選択肢を提供する以上、私たち自身も新しい仕事、新しい仕組み、新しい支援方法を探し続けなければなりません。
そして、作業を増やせばそれでよいわけでもありません。
実際に現場で取り組めるのか。
継続できるのか。
安全に行えるのか。
利用者の皆様の経験や工賃につなげられるのか。
三笠を中心とする現場側の視点も取り入れながら、一つずつ形にしてきました。
事業所を運営していて、私たち二人が共通して強く感じていることがあります。
それは、利用者の皆様だけに「成長してください」と求めることはできない、ということです。
支援する側も変わらなければなりません。
職員も失敗します。
私たちも判断を間違えます。
良いと思って始めたことが、実際にやってみると思ったほど上手くいかないこともあります。
そのときに、
「昔からこうだから」
「福祉事業所だから仕方がない」
「決まりだから」
という言葉だけで終わらせないようにしたいと思っています。
なぜ上手くいかなかったのか。
別の方法はないのか。
もっと分かりやすくできないのか。
利用者にとって本当に必要な支援になっているのか。
職員にとって無理のある仕組みになっていないか。
こうしたことを一つずつ考えながら改善していくことも、私たちの仕事です。
代表が考えたことを、そのまま現場へ下ろせばよいとも考えていません。
現場で利用者の皆様や職員と接しているからこそ見えるものがあります。
三笠から髙﨑へ、現場の状況や職員の意見を伝えることもあります。
時には「それは違うのではないか」と意見がぶつかることもあります。
しかし、それは会社の中で誰かが勝つための話し合いではありません。
最終的に利用者の皆様にとって、職員にとって、そして事業所として、より良い形は何なのか。
そこへたどり着くための話し合いです。
私たちは、意見が違うこと自体を悪いことだとは考えていません。
違う立場から見たものを持ち寄れることも、組織の強さの一つだと思っています。
そうした考えから生まれたものの一つが、サイバーコアで使用している業務支援システムです。
利用者の記録、看護記録、月次の確認、個別支援計画、モニタリング、アセスメント、送迎など。
福祉事業所では、多くの情報を正確に記録し、職員間で共有していく必要があります。
しかし、既存の仕組みに現場を無理に合わせようとすると、どうしても使いにくい部分が出てきます。
それなら、
「現場に必要なものを、自分たちで作ればいい」
と考えました。
現在も完成したとは思っていません。
実際に職員が使い、
「ここが分かりにくい」
「こうなった方が使いやすい」
「この情報も必要」
という声が出れば、少しずつ改善しています。
髙﨑が仕組みを考え、それを実際の現場で使い、三笠や職員から意見が返ってくる。
そして、また直す。
この繰り返しです。
便利なシステムを作ること自体が目的ではありません。
職員が記録や事務作業に必要以上の時間を取られず、その分を利用者の皆様と向き合う時間に使えるようにすること。
記録すべきことを正確に残しながら、現場の負担を少しでも減らすこと。
仕組みで人を縛るのではなく、仕組みで人を支えること。
そこが一番の目的です。
私たちは、かなり違うタイプの二人です。
髙﨑は、目的が決まれば、そこへたどり着く方法を考えます。
最初から「できない」と決めるより、「できるとしたら何が必要なのか」を考える方です。
三笠は、周囲との関係や現場の状況を見ながら、一つずつ確認します。
納得できないことがあれば、相手が代表であっても理由を確認します。
そして必要だと思えば、職員のため、利用者のために意見を伝えます。
一見すると、前へ進もうとする人と、それを止める人のように見えるかもしれません。
しかし、私たちはそうは考えていません。
アクセルだけでは安全に進めません。
ブレーキだけでも目的地には着きません。
そして、いつアクセルを踏み、いつブレーキを踏むのかは、その都度変わります。
髙﨑が立ち止まることもあります。
三笠が「やってみましょう」と背中を押すこともあります。
二人とも同じ考えになることが目的ではありません。
違う視点を持ったまま、同じ目的地を見ていること。
それが、私たち二人の関係なのだと思っています。
ここまで来ることができたのは、決して私たち二人だけの力ではありません。
日々現場を支えてくれている職員。
サイバーコアを利用してくださっている利用者の皆様。
ご家族。
相談支援専門員の皆様。
医療関係者の皆様。
行政や関係機関の皆様。
そして、利用者の皆様へ作業を提供してくださる企業・事業者の皆様。
多くの方とのつながりによって、現在のサイバーコアがあります。
開所当初には想像できなかった出会いもたくさんありました。
人とのつながりから新しい仕事が生まれたこともあります。
誰かの一言から、新しい支援方法を考えるきっかけをいただいたこともあります。
職員の意見によって、私たち自身の考えを改めたこともあります。
利用者の皆様から教えていただいたことも、数え切れません。
その一つひとつが、現在の株式会社インディペンデントケアとサイバーコアを作っています。
代表の髙﨑自身も、車椅子を使用して生活しています。
できなくなったこともあります。
以前と同じようにはできないこともあります。
しかし、「もし障害がなかったら」という自分と現在の自分を比較し続けても、今は変わりません。
今できること。
今持っているもの。
今いる仲間。
現在の自分が出せるものが、世間から見れば70点だったとしても、それが今の自分に出せるものなら、今の自分にとっての100点だと考えています。
100点とは、
「もう成長しなくていい」
という意味ではありません。
今の自分を否定せず、そこを次のスタート地点にする。
ということです。
これは髙﨑個人の考えから始まったものですが、三笠も含め、現在の私たちが利用者の皆様と関わる上で大切にしている考えの一つになっています。
人と比べた100点でなくていい。
昨日の自分と同じでなくてもいい。
できないことがある自分を、0点にする必要もない。
今いる場所を一度受け入れて、そこから次を考える。
前へ進むことだけが正解ではありません。
必要であれば立ち止まる。
人の力を借りる。
方法を変える。
別の目標を探す。
それもすべて、自分で自分の人生を選んでいくための一つの方法だと私たちは考えています。
髙﨑は、できるかどうかを長く考えるより、
「できるとしたら、どうすればいいのか」
と考えることが多い人間です。
時には、まだできてもいないことを「できます」と言ってしまうこともあります。
そして、自分で自分に制約をかけます。
言ってしまった以上、どうにかして実現する方法を探す。
調べる。
教えてもらう。
試す。
失敗する。
また考える。
そうやって「できない」を「できる」に変えていきます。
一方、三笠は、
「本当にそれで大丈夫なのか」
「現場ではどうなるのか」
「利用者や職員に無理はないのか」
という部分を確認します。
これは「できない理由を探す」こととは違います。
実際に続けられる「できる」にするための確認です。
勢いだけで始めても、続かなければ意味がありません。
慎重に考えているだけでも、何も始まりません。
だから私たちは、
「まず、できる方法を考える。そして、本当に続けられる形にする。」
その両方を大切にしています。
「できる」と信じることと、現実を見ることは反対ではありません。
理想だけでは支援は続きません。
しかし、現実だけを見て最初から可能性を閉じてしまえば、新しいものは何も生まれません。
できる可能性を探すこと。
そのために必要な条件を考えること。
実際にやってみること。
上手くいかなければ理由を考えること。
必要なら方法を変えること。
そして、続けられる形になるまで改善すること。
この繰り返しが、私たちなりの「支援」であり、会社や事業所を作っていく方法でもあります。
私たちは障害福祉に携わる中で、「自立」という言葉について何度も考えてきました。
自立というと、
「一人でできるようになること」
「人の手を借りなくなること」
と捉えられることがあります。
しかし、私たちはそうは考えていません。
人には、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。
障害の有無にかかわらず、一人ですべてを完結できる人はいません。
分からなければ人に聞く。
難しいことは手伝ってもらう。
自分にできることは誰かを手伝う。
必要な制度やサービスを利用する。
道具や技術の力を借りる。
そして、その中から自分に合った方法を自分で選ぶ。
それも立派な自立だと思っています。
大切なのは、
「全部自分でやったか」ではなく、「自分の人生を自分で選んでいるか」。
私たちは、そう考えています。
だからこそ、支援する側が先回りして何でも決めてしまうことにも注意しなければなりません。
良かれと思って行った支援が、本人が考えたり選んだりする機会を奪ってしまうこともあります。
一方で、「本人の意思を尊重する」という言葉だけで、必要な支援を行わないことも違います。
本人が何を望んでいるのか。
何に困っているのか。
どこまで自分でできるのか。
どこに支援が必要なのか。
一緒に考えながら、必要なところを支える。
そして、本人自身が選べるものを少しずつ増やしていく。
それが、私たちが目指したい支援です。
この2年間で、システムや設備、作業環境など、様々なものを整えてきました。
これからも新しい技術を取り入れていきます。
AIをはじめ、これまで福祉とはあまり結びつかなかった技術も、使い方次第では利用者の皆様や職員を支える大きな力になると考えています。
しかし、どれだけ便利な仕組みを作っても、それだけで支援が完成するとは思っていません。
利用者の表情を見る。
いつもとの違いに気づく。
話を聞く。
一緒に考える。
必要なときには声をかける。
逆に、必要以上に手を出さず見守る。
こうしたことは、最後は人と人との関係の中で行われます。
髙﨑が仕組みや新しい方法を考え、三笠が現場や人とのつながりを見る。
もちろん、実際にはそんなに単純に役割が分かれているわけではありません。
髙﨑が利用者と直接話すこともあれば、三笠が新しい仕組みを提案することもあります。
職員から私たち二人が教えられることもあります。
大切なのは、誰か一人が全部正しいと思わないこと。
それぞれが見えているものを持ち寄ること。
一人で完成させるのではなく、みんなでより良い形に近づけていくこと。
会社も事業所も、支援も、そうやって作っていくものだと思っています。
3期目に入りましたが、完成した会社になったとはまったく思っていません。
むしろ、2年間やってきたからこそ見えるようになった課題があります。
まだ足りないものがあります。
もっと改善したいことがあります。
利用者の皆様へ提供したい作業があります。
工賃向上のために、まだできることがあります。
職員がもっと利用者の皆様と向き合えるよう、改善したい仕組みがあります。
地域とのつながりも、もっと広げたいと思っています。
そして何より、障害のある方が、
「自分にはこれしかできない」
ではなく、
「これもできるかもしれない」
と思える機会を、今より一つでも多く作っていきたいと思っています。
私たち自身も、まだ成長の途中です。
代表も副社長も、職員も、すべてを知っているわけではありません。
これからも間違えることはあると思います。
やってみて上手くいかないこともあるでしょう。
考え方がぶつかることもあると思います。
それでも、そこで終わりにしない。
なぜ上手くいかなかったのかを考える。
必要ならやり直す。
誰かに教えてもらう。
別の方法を探す。
そして、またやってみる。
その繰り返しを続けていきたいと思っています。
株式会社インディペンデントケアが掲げる、
「共に助け合い、共に成長。自立の力、自由の喜び」
という言葉。
3期目を迎えた今、開業したとき以上に、この言葉の意味を感じています。
「共に助け合う」のは、利用者の皆様だけではありません。
職員も、私たち経営側も同じです。
誰かが困っていれば支える。
自分が困ったときには支えてもらう。
そして、支える側と支えられる側を固定しない。
人には、助けてもらうときもあれば、誰かを助けられるときもあります。
その中で一緒に成長し、それぞれが自分にとっての自立を考え、自分で選べるものを増やしていく。
その先にあるものが、私たちの考える「自由の喜び」なのかもしれません。
私たちは、同じ性格ではありません。
物事を見る方向も、判断する速さも、得意なことも違います。
だから、意見が違うこともあります。
しかし、この2年間、一つだけ変わらなかったことがあります。
サイバーコアを、利用者の皆様にとってより良い場所にしたい。
そして、
ここで働く職員にとっても、自分たちの仕事に意味を感じられる場所にしたい。
その目的は同じです。
髙﨑が先に走りすぎれば、三笠が一度止める。
三笠が考えていることがあれば、髙﨑が「じゃあ、やってみよう」と背中を押す。
時には逆になることもあります。
どちらが上でも、どちらが正しいでもなく、それぞれの違いを使いながら会社を作っていく。
これからも、そういう二人でありたいと思っています。
道は、いくら曲がってもいい。
予定と違う場所を通ってもいい。
一度立ち止まってもいい。
誰かの力を借りてもいい。
ただ、自分たちが大切にしたいものまで曲げる必要はないと思っています。
そして、一人では難しいことも、人と人が支え合い、方法を考えれば「できる」に変わることがあります。
だから3期目も、
「できる。で、やってみよう。」
私たちは、この気持ちを忘れずに進んでいきます。
これまで株式会社インディペンデントケア、そしてサイバーコアに関わってくださったすべての皆様に、改めて心より感謝申し上げます。
3期目も、利用者の皆様、職員、地域の皆様、関係機関の皆様と共に考え、共に悩み、共に成長しながら、一つずつ新しい可能性を形にしてまいります。
今後とも、株式会社インディペンデントケアならびに就労継続支援B型事業所サイバーコアを、どうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役 髙﨑 直人
取締役 三笠 和男